蒸留

蒸留機には単式蒸留機と連続蒸留機の2種類があり、モルトウイスキーやブランデー、ラムの多くには単式蒸留機が使用され、アメリカのバーボンウイスキーやカナダのライウイスキーなどほとんどのスピリッツは連続蒸留機が使用されています。連続蒸留機によって90%から95%にまでアルコール度を上げたものでは、不純物が少ないために、癖のないものになりますが、アルコール純度の低いものでは、水、アルコール以外に少量ずつ揮発性異物質が混入されています。モルトウイスキーの場合は単式蒸留機による2度の蒸留で約60%のアルコールが得られますが、残りの40%の中には水その他数百種類に上る微量成分が含まれています。これらがウイスキーの味や香りなどの性格を決定づけることとなります。樽詰め前のモルトウイスキーはほとんど無色ですが、強烈な臭いを持ちます。これをシェリー酒に使った樫の古樽で熟成させると、樽材の成分の一部が溶け込んで、以前とは違った臭いを持ち、琥珀色の原酒となります。原酒は原料の大麦の選択から2度の蒸留を終えるまでの複雑な過程によって微妙な性格の差を持つもので、純粋に化学的に分析できない部分があり、従事する人間の勘に頼らざるおえません。よってどのようなウイスキーにも微妙な差が出てしまいます。スコッチウイスキーの場合は大抵モルト40%、グレイン60%と、グレインウイスキーのアルコールの方が多くなっています。しかし同じトウモロコシを原料とするバーボンウイスキーとの間に大きな差を生ずるのは、バーボンの場合は精留度が低く、残留物のためにバーボン独特の性格を持つのに対して、グレインウイスキーの場合は原料の影響を無視できるほど精留度を高めているからです。

酒アルコール辞典

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