ウイスキー論争

コーンから造ったグレインウイスキーはアルコール度が90度から95度もあるのにウイスキーと呼ばれ、糖蜜やジャガイモなどから造ったアルコールはアルコールと呼ばれるのはなぜか。これがイギリスで起ったウイスキー論争です。
1830年にコフィーによって発明された連続蒸留機でコーンから飲料用のアルコールが造られ、その生産性が格段に高いために業者のうちにハイランドのモルトとローランドのグレインを混ぜて売り出す者が出ました。そこでスコットランドの業者達は大同団結してこの両業者を会せ、1877年DCLを結成して現在のようなブレンディットウイスキーを売り出しました。しかし1890年頃でも、英国内にはコフィー式ウイスキーをウイスキーと呼ぶのを否定する声が強く、こうして1905年に市議会がブレンディットウイスキーはウイスキーではなく、食品薬品法によって禁止されている混合物であるという決定を下しました。そこでDCLをはじめブレンド業者はこれに反対し、ウイスキーとは何か、という問題に決着をつけるために王室委員会まで設置されることとなりました。その結果、1908年のような結論を得ました。つまり、ウイスキーとはモルトのジアスターゼによって糖化した穀類のマッシュから蒸留してできたスピリッツを言うということです。これによりコーンから造った飲料用アルコールもウイスキーと正式に呼ばれることとなり、この決定がスコットランドの地酒であったウイスキーを飛躍的に国際的な商品に押し上げたといえます。

酒アルコール辞典

       copyrght(c).酒アルコール辞典.all rights reserved

不動産売買