ベルモット

ワインをベースとした食前酒で、ワインとするのか独立した酒とみるかは、専門家の間でも意見の分かれるところですが、カクテルに多く使われ食事中に飲むものではない点は、ジンやウイスキーと同様です。製法にはイタリアンタイプとフレンチタイプがあり、いずれの場合も複雑な過程を経てつくられます。イタリアンタイプは68度のアルコール液の中にニガヨモギ、リンドウブリ、コエンドロの種、アンジェリカ、シナモン、ハッカ、サルビアの葉など多数の薬草や樹皮、根茎などをつけ込み、2、3週間の後、これを濾過してワインを混ぜてつくります。これらの薬草香味類の中にはアルプスで採取されるものや、原料から輸入されているものもあります。産地は北部イタリアのトリノが中心です。種類には砂糖を加えない無色透明なドライ、甘口で独特の香りを持つビアンコ、重厚な味わいで濃紅色のロッソなどがあります。イタリア、トリノ市のマルティニ・ロソン社製のエクストラドライは、マティーニ・カクテルの語源となったほどの逸品です。
フレンチタイプはフランス南部でつくられ、中心地はマルセイユ。原料のワインには極めて辛口のものが使われ、しかも発酵が終わると大きな樽に詰めて、戸外の太陽や風に2、3年間さらします。これによりシェリーに似たドライさが生まれ、これに香料や薬草のアルコール漬けにしたものを加え、濾過してつくります。イタリアンではアルコール度16度、エキス分3%ですが、フレンチの方はアルコール18%と高く、エキス6%と多くなっています。

酒アルコール辞典

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