悪酔い

アルコールは消化作用を受けないで胃腸から体内へ入ります。よって酒は他の食品と違い飲めばすぐに酔いがまわり、1時間もして胃の内容物が腸へと移動する頃、アルコールの血中濃度はピークに達します。これらのアルコールのほぼ全部が肝臓へ行き、ここで脱水素酸素とタカラーゼという2種類の酸素によって酸化作用が始り、複雑な科学変化の結果に最終的に水と炭酸ガスへと分解されます。この肝臓の酸化能力を上回る量のアルコールは血液中に残ることになり、その血中濃度が0.02%以上となると酔いが生じます。そして0.2%以上になると、ほとんどの人が酩酊状態となり、0.5%に達すると急性アルコール中毒となり最悪の場合は絶命します。この限度にはもちろん個人差がありますが、体重50kgの人ならウイスキー3分の2本、清酒6、7合、ビール7、8本ということになります。しかし体重が100kg以上の相撲取りのような人ならば1升酒くらいはなんでもないということにもなります。悪酔いはまずアルコールによる神経系統への影響から始ります。とくに判断、記憶などの精神活動をつかさどる大脳皮質の活動の低下から始り、本能や運動神経をも冒すこととなります。飲用には炭素基が2つのエチルアルコールが用いられ、1炭素のメチルアルコールや3炭素以上のいわゆるフーゼル油は使えません。食品衛生法では1ccあたり1mg以上のメチルアルコールを含むものは有害であるとされており、第二次大戦直後のようにメチルアルコールの出回った時には失明したり死亡したりする事故が多くありました。フーゼル油が一番少ないのはパテント・スチルで蒸留したウイスキーですが、それでも0.03%含んでいます。悪酔いの原因には、このフーゼル油による作用以外に、肝臓での酸化の第一段階に発生するアセトアルデヒドの毒性などが考えられています。

酒アルコール辞典

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