シェリー
シェリーはスペイン、アンダルシアの南端ヘレス周辺で産出されるもので、ブランデーなどによってアルコール度を強化した、いわゆる強化ワインです。厳密に言うとこの地方独特の製法によるものをいい、他の国でシェリーと称したものもありますが、これはシェリータイプワインと称するべきです。この地方の農家で採取されたブドウは醸造所に運ばれ、草で編んだマットの上で広げられ１日近く、アンダルシアの焼けつくような陽光にさらされます。この時に石膏分を含んだ砂塵がワインの酸味を増すことからヒントを得て、樽に入れられたブドウにはイエソと呼ばれる石膏の粉がふりかけられます。次に発酵してできたワインの上層には微生物の働きによってフロールと呼ばれる膜ができます。これがシェリーに独特の強い香りを与えます。その次はソレラという工程になりますが、これがシェリー独特のもので、熟成とブレンドの技術を含んでいます。貯蔵所では古いものを下にし、新しい樽を上に４段に重ねられており、最下段のものをソレラと呼び、毎年その３分の１が完成品として瓶詰されます。このソレラは最低１０年以上、中には１００年を経たものもありますが、取り出された樽の空いた部分は一段上の樽から、その樽にはその上のものからという順で補充されます。最上段は熟成４年から５年の若いワインです。また穴樽はフロールの膜の育成に必要な酸素を与えるため十分なすきまがあります。瓶詰の前にブランデーなどを加えて強化します。そのためにシェリーはワインよりもアルコール度が高く普通２０度です。
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