発酵

楽しい雰囲気を醸し出す。というように不思議な情緒やプロセスを表す言葉があります。米、麦、大豆などを仕込んで、それがいつもの間にかに酒や醤油、味噌になります。この不思議な現象こそがデンプンの糖化と発酵です。スコッチウイスキーで例えれば、乾燥した大麦を水につけて発芽させますが、その際に大麦の胚芽が芽の栄養として使い尽くされ、後で糖化する際のデンプンが無くならないように適当なところで乾燥して芽の発育を止めてしまいます。この乾燥には泥炭を使い、これが後にウイスキーのスモーキーフレーバーになります。こうして短い芽をもった麦芽を粉砕し、温水を加えると麦芳のジアスターゼが麦の実のデンプンを糖化して、糖化麦汁になります。これを発酵タンクへ送って、酵母が加えられて発酵が行なわれます。この発酵というのは、イースト菌中の酸素の働きで麦芽糖をブドウ糖にして、次にこれをアルコールと炭酸ガスにする作用です。この作業は30時間から40時間続けられます。この過程では1個の麦芽糖分子から2個のブドウ糖分子が生まれ、さらに1分子のブドウ糖分子が、それぞれ2分子のアルコール炭酸ガスに分解されることになります。つまり麦芽糖100gから53.8gのアルコールと51.5gの炭酸ガスが発生するという計算になります。しかし、実際には細菌類による代謝や、酵母の娘細胞を産むのに使われるので実際に得られるアルコールは53.8gではなく、その80%程度に当ります。こうして発酵を終えると、普通13%程度の糖分を含む麦汁からアルコール6%から7%の発酵醪が得られます。これをウォッシュと呼び次の段階の蒸留に送られることになります。

酒アルコール辞典

       copyrght(c).酒アルコール辞典.all rights reserved

不動産売買