アブサン・アニゼット

アブサンが最初に作られたのは1730年頃のスイスのクーヴェです。ニガヨモギを主原料とし、アンジェリカの根、パセリ、パームなどの薬草、香草を加えてブランデーに浸漬して再蒸留したものです。ブランデーを再蒸留するので、でき上がるとアルコール度70%以上にもなります。この酒が中毒事件を起こしたのは1884年のアフリカで戦っていた軍隊で、その解熱作用と麻酔薬としての効用から常用者が増えました。フランス政府はこれに驚き、はじめは含有エキス分1%以下に規制はましたが、後には製造販売そのものを禁止しました。有名な話しとして、アブサンを愛用していた画家のゴッホが発作を起こして自分の耳を引きちぎったといわれ、ロートレックもこの中毒による非業な最後をとげたといわれます。今日ではアブサンの代用品としてアニゼットが用いられています。これはニガヨモギの代用として、地中海地方でとれるアニスと呼ばれる薬草を使ったもので、アブサンのような毒性はありません。日本ではフランスのペルノ社のものが有名で、以前は60度のものと35度のものがありましたが、現在では45度のものが輸入されています。コップに注ぐと黄色透明で、爽やかな香りと甘味を持ったものですが、甘味が強く、アルコール度も高いので一般には水、ソーダ水で割ります。水やソーダ水を注ぐと白濁します。ルイ15世はこれをベースとしたナイト・キャップを愛したそうですが、一般には食前酒などに最適です。

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