バカンス

頑張って仕事に励んだりすることをハッスルという流行語にしたのが昭和38年のことですが、日本の経済の高度成長が盛んで、電気や薬品、繊維、自動車などの業界が大いに潤った年でもあります。働き蜂のサラリーマン達はテレビドラマ男嫌いで軽く揶揄されながらもビタミン剤を飲んで、OLとヘイ・ポーラをデュエットするのが夢であった時代です。日本ではこの歌を田辺靖雄とデュエットした梓みちよが7月にこんにちわ赤ちゃんを大ヒットさせ、レコード大賞を受賞しましたが、永六輔と中村八大の作詞、作曲コンビはこの歌を国民歌謡の域に押し上げたと言えます。しかし、農家の多くは父ちゃんが出稼ぎに行き、母ちゃん、じいちゃん、ばぁちゃんの3人だけで農業を営むといった3ちゃん農業でした。高度成長がもたらす大都市労働力需要の大きさは、父ちゃんばかりか若い子供達までも都会へ呼び寄せ、日本の農業の就業形態をゆがんだ形にしてしまいました。そうした中で言葉だけが先行した観があるのが東レ、トヨタ、ヤマハなどのレジャー関連各社がキャンペーン用語としてバカンスを提唱し、とくにバカンス・ルックのネーミングで出したサマー・ウェアがヒットしましたが昭和38年当時ではバカンスそのものが高嶺の花でした。

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